戦後復興、高度成長期を支えた自由民主党は、派閥の力学によって党運営を支配してきました。しかし、派閥政治は「政治とカネ」の問題を引き起こし、国民の不信感を招いたのです。
自民党の最大派閥であった田中派の田中角栄は、金権政治の典型と言える人物でした。彼は巨額の政治資金を集め、自らの派閥の拡大や政敵の排除に使いました。自らの出身地である新潟県に多額の公共事業を誘致し「列島改造論」を掲げて民衆の支持を集めました。彼はロッキード事件で逮捕され、政界から追放されました。この事件は、政治家にカネが動く腐敗政治の象徴となりました。
次に、自民党の派閥の力学は、政治の安定性や効率性に影響を与えました。自民党は政権を維持するために、派閥間の駆け引きや利益調整を行いました。政策決定の遅延や争いの原因となりました。派閥の力を背景に、政治家は自らの地盤や利権を守るために、選挙に多額の費用を投じました。国民の税金の無駄遣いと受け止められました。
自民党の派閥政治は政治とカネの問題を生み出し、国民の落胆を招きました。この問題に対処するためには、政治資金の透明化や規制、派閥の影響力の低減などの改革が必要です。