近畿大学病院移転 泉北ニュータウンの未来へ

50年目の丘陵地開発~泉北ニュータウンへ
50年目の丘陵地開発~泉北ニュータウンへ

泉北ニュータウン30万都市計画スタート

泉北ニュータウンの30万人都市計画は大阪南部の堺市・和泉市で進められた壮大なプロジェクトです。この計画は高度成長期の象徴として、住宅や商業施設の整備が進められました。開発当初はオイルショックによる影響もありましたが、計画的な開発により、都心へのアクセス鉄道、道路網の整備、コミュニティータウンとして地域・住居・商業施設の区画整備と遊歩道と公園・緑地を配備した素晴らしい地域が今も存在します。50年経過したニュータウン開発も時代の変化に対応する時が来ています。50年前に計画した泉北ニュータウンの新たな50年に向けた整備が求められています。

50年前の市民プール・府営団地(40棟)
50年前の市民プール・府営団地(40棟)

泉北ニュータウンの新たな未来を拓く

泉北ニュータウンの30万人都市計画がスタートしてから50年が経ち、時代の変化とともにさまざまな課題が浮かび上がっています。バブル経済の崩壊や平成不況、少子高齢化の進行により、現在の人口は約16万人に減少しています。

老朽化した府営・市営・住宅供給公社の5階建て団地が増え、空き家の問題も深刻化しています。また、泉ヶ丘駅近くの府営団地や市民プールも老朽化し、入居者数や利用者数が減少している中で、大阪府と堺市は近畿大学医学部・病院の移転を誘致する決断を下しました。

近畿大学100年・医学部50年の記念事業

近畿大学100年・医学部50年の歴史の経過の中で、大阪狭山市にある医学部病院は南大阪地域の医療を担ってきました。近畿大学は医学最先端医療と研究を進め大阪南部・奈良・和歌山の高度医療拠点として、医療機能・技術の進化による新しい医療を目指してきました。50年経過、古く狭くなった大阪狭山市のキャンバスから堺市泉北ニュータウンの泉ヶ丘地区へ移転を決断しました。工事期間は一年遅れ2025年11月開院に向けて急ピッチで準備を進めています。

2022年6月~2年半 建設工事現場の進捗

2022年6月建築工事開始~2年半(近くで確認)

2022年6月に始まった近畿大学医学部・病院の本格工事が2年半にわたり進行しています。建築工事の本格開始前には、周辺地域の遊歩道や地域公園の整備が進められ、市民プールと40棟の府営団地の解体が順次行われてきました。市民プールは栂地区に新設OPEN、府営団地は集約して高層の府営住宅として建設されました。

開発発表の過程では田園公園の緑地伐採に関する訴訟も発生しましたが、地域説明会を何度か開催し、堺市建設部公園課が地域住民とのコミュニケーションを図りながら周辺地域の公園・遊歩道・樹木の改修を進めてきました。病院への 来院客への道路も堺市の行政が事前整備を行いました。

本体工事プロジェクトは、大林組が主体となり、中堅ゼネコンが周辺部の施工を担当しています。

泉北ニュータウン開発50年以上を経過する中で、新しい時代環境配慮したシンボル事業として「近畿大学医学部・病院の移転計画」が実行に移されています。衰退するニュータウンのこれからの50年の新たな時代の象徴となる医療の充実が図られます。新しいキャンパスと病院が地域住民の大きな希望に変わることを期待します。

近畿大学病院と泉ヶ丘駅直結の改修工事

泉北ニュータウン泉ヶ丘駅直結の新歩道橋の完成と、それに伴う近畿大学病院への直結通路の開通は、地域と病院の利便性を大いに向上させます。

以前は高野線の金剛駅からバス移動が必要でしたが、新たに駅直結となったことで、病院利用がスムースになります。日に日に改革が実現していきます。

また、2025年4月からは泉北高速鉄道が南海電鉄㈱に併合されることにより、通勤・通学の定期料金が安くなることが期待されています。泉北高速鉄道は開業以来、運賃の高さが批判されてきましたが、南海電鉄との一体化によって、運賃の合理的な改革が進むことが望まれています。 

さらに、泉ヶ丘の一部商業ビルも南海電鉄の運営となり、地域の発展と利便性の向上が期待されています。このような一連の取り組みが、地域住民の生活をより良くする一助となることでしょう。

近畿大学医学部・病院の建築現場 2025年1月撮影
近畿大学医学部・病院の建築現場 2025年1月撮影

地域医療を担う近畿大学病院 移転

近畿大学病院が大阪府堺市の泉北高速鉄道泉ケ丘駅直に移転します。この移転は2025年11月に予定されており、新しいキャンパスは「おおさかメディカルキャンパス」と呼ばれる予定です。

この移転により、近畿大学病院は地域医療の拠点としてさらに強化され、高度な医療技術や先進的な医療サービスを提供することが期待されています。また、地域医療のニーズに応じた施設として、地域住民に安心して利用できる医療を提供することを目指しています。

近畿大学医学部は1974年に大阪狭山市に開設され、翌年に付属病院が開院しました。しかし、施設の老朽化や地域医療の向上を目指して、2025年11月に大阪府堺市の泉北ニュータウン(泉ケ丘駅直)に新しいキャンパス「おおさかメディカルキャンパス」に移転する計画が進められました。このプロジェクトは、近畿大学創立100周年記念事業および医学部開設50周年事業の一環として進められています。新しい病院では、高齢化社会に対応した斬新な医療を展開し、がん治療や心臓・脳血管障害などの高度最先端治療を強化することが計画されていま。

近隣住民として近畿大学病院の移転に期待

緑化の田園公園内を近畿大学病院へ

開発開始から60年、泉北ニュータウン泉ヶ丘地区は少子高齢化や施設の老朽化などの課題に直面していました。その中で、大阪府と堺市の行政が地域の再整備を進める新しい街づくりの必要性が求められていました。

田園公園は歴史的な須恵器窯跡を含む歴史的な場所であり、ニュータウン開発の中で緑化を守る重要な役割を果たしていました。今回の移転プロジェクトにおいても、緑化の維持と周辺地域の整備が行われています。

近畿大学と行政が協力して進めた泉ヶ丘地区の改革は、地域の再生と新たな発展を象徴するものとなるでしょう。周辺の公園や遊歩道の整備も進められ、住民にとってより良い環境が整いつつあります。 

50年間、住み続ける近隣住民として、田園公園は近畿大学病院の建築現場の周囲を散歩しながら工事の進捗状況を希望の思いでスマホで撮影しています。