ロシアのウクライナ侵略戦争~3年 世界への影響

ウクライナの避難民1000万人(24年2月)

ロシアのウクライナへの侵攻によって1000万人(国外脱出648万人・国内避難369万人 24年2月現在、侵攻2年)ウクライナ人口4300万人の25%の人口が流出、更に50万人の戦闘員を前線に送っている。世界有数の穀物(小麦)輸出国の農業国家であり鉄鉱石を利用した鉱工業など世界のGDPランク53位の国家である。戦争によって世界経済にも大きな影響を及ぼしています。

北朝鮮兵12000人派兵 ロシアの戦況

ロシアと北朝鮮が軍事協定を締結、2024年11月20日北朝鮮から12000人の軍隊をウクライナ戦線へ派兵しました。一方でロシアから北朝鮮へのミサイル技術提供など日本への影響が懸念されています。米国を中心としたNATO国もロシア国内へ届く射程の長い砲弾を認め、戦闘能力を高めています。戦況が膠着状態の中で3年目を迎え、北朝鮮の派兵で欧州の戦争が北東アジアへも影響が及ぶ状況で終戦に向けた模索も始まっています。これ以上の戦線継続は誰も望まない状況にあると思われます。

ロシアとウクライナは兄弟国である

8~13世紀のキエフ公国 首都キーウ

8~13世紀のキエフ公国時代の首都はキーウ(現ウクライナ)、プーチン大統領はロシアとウクライナは「精神的、人間的、文化的なつながりは数百年にわたって築き上げられた」として、両国民の一体性を強調しています。その結び付きの始まりこそキエフ・ルーシであり、「ロシア人、ウクライナ人、ベラルーシ人は皆、かつてヨーロッパ最大の国家であった古代ルーシの子孫」と述べています。1147年モスクワ大公国に変遷し1918年共産主義国家ソビエト連邦の首都となり現在に至っています。プーチン大統領はロシアの兄弟国ウクライナがNATO諸国の一員となることを嫌った。

1991年12月ソ連邦崩壊によって15の共和国が誕生し、東欧諸国(東ドイツ・ポーランド・チエコ・・)などが西側の安全保障条約機構(NATO諸国へ)、EU連合(経済連携)に順次移り、ロシアにとってはこれ以上の結びつきは許されないとウクライナへ侵攻した。

ウクライナ国民に選ばれたゼレンスキー大統領

コメデイアンから選ばれた大統領

2019年5月に大統領に就任(41歳で就任)大統領役を演ずる俳優・コメデイアンとして人気を博し、2014年ウクライナのクリミア半島を一方的にロシアに併合され、その後も続く戦闘の中で2019年5月の大統領選挙で当選しました。ロシアは懸念する中でプーチン大統領は2021年末、国境沿いに10万の軍隊、戦車、装甲車などを集結させました。衛星で欧米が認知し「金融・経済制裁を実施する」と警告しました。

国難を若き大統領は国民の先頭に立って戦い続けています。どの国にも腐敗が存在する中で、世界を駆け巡り支援を呼びかけ戦いを続けています。

短期決着と言われた侵略戦争は3年に及ぶ

シリアアサド政権崩壊、ロシア苦境

1970年~30年に渡り独裁政権を続けた父親の死後2000年~34歳で大統領になったアサド大統領は強権的な統治を続けてきました。シリアは地中海に面し、トルコ・イラク・レバノン・ヨルダン・イスラエルと国境を接する要衝の国家、2014年のアラブの春のイスラム国家(IS国の樹立)に対して圧政で対応、ロシアやイラン、隣国レバノンのヒズボラと連携しシリア国家を保ってきました。2022年のロシアのウクライナ侵攻長期化により、ロシアの支援(地中海に面したロシア空軍・海軍基地)によって守られてきた体制が崩壊し、反政府組織の反撃でによって抵抗できず2週間でアサド政権が崩壊しました。弱体化したロシア・イランの支援が受けられませんでした。

ロシアの唯一の地中海への玄関、シリアでの空軍・海軍基地が撤退せざるを得ず使えない。ロシアはさらに厳しい状況が生まれています。