希少金属(レアメタル)南鳥島近海で大発見

南鳥島近海5000mの深海で100㎞四方にレアメタル

2013年、東京大学研究チームが東京から1900㎞離れた南鳥島の深海6000mにレアメタルを含む泥を発見、希少金属資源(レアメタル)を全て輸入(中国)に頼る日本に朗報がもたらされました。2012年の尖閣諸島の国有化(登記)に中国政府は厳しい対応を取りました。国民は中国に進出している日本の百貨店やスーパーなど多くの店舗の破壊行為を起こし、中国国家としてレアメタルの中国→日本への輸出を書類審査の遅延など厳しい対応を計り輸出を止めました。日本は自動車産業、電気製品、半導体などの希少金属を中国に依存していたことで、レアメタルの代替え製品の開発、他国からの輸入対応を模索しました。

(2024年6月21日) 日本最東端に眠る希少金属の分布と埋蔵量の確認、及び5000m深海からの引き上げなどの検証が続けられ、発見者東京大学と公益財団法人日本財団によって南鳥におけるマンガンノジュールに関する調査結果 記者発表されました。

レアメタル産業を制する中国の戦略

  中国は世界(アフリカ・南米・東南アジア・・)で産出されるレアメタル(希少金属)の権益を確保し、自国(中国)で精錬、製品として世界に輸出する構図が出来上がっています。希少金属の一次消費国(中国・米国・日本の3カ国で大半を占めています。しかし、製錬の60%は中国が握っています。消費国日本は100%中国に依存しています。希少金属の精錬は原石に放射性物質が含まれ製錬による汚染の影響が広く知られています。広大な土地と人口と安い労働力を保有する中国で製錬が行われています。改革開放政策で成長を遂げた中国は14億人の国民の消費力・労働力「世界の工場」として急成長を遂げ、開発途上国から新興国へ躍進しました。

世界の産業を支える希少金属

希少金属の生産国と消費国

  • レアメタルは、リチウムやコバルト、ニッケルなど、電子機器やエネルギー関連の技術に用いられる様々な非鉄金属を差します。
  • レアアースは、ランタン、セリウム、ネオジムなど、特定の17の元素からなるグループを指し、強力な磁石や発光材料、触媒などに使われることが多いです。
  • ベースメタルは、世界の産業を支える鉱物資源。埋蔵量・産出量とも多く、比較的製錬しやすい鉄、アルミ、銅などがあります。

日本の希少金属(レアメタル)は全て輸入に頼っていました。しかし、不足するレアメタルを確保するため、日本に眠る使用済み製品のリサイクルで希少金属を確保しています。

南鳥島周辺の深海に希少金属の存在

地下マグマの活動でつくられたレアアース

ハワイ&タヒチあたりのレアアース泥の密集地帯から1億年かけて泥から塊となって移動、日本の排他的経済水域(東京から1900㎞離れた最東端南鳥島付近の6000m深海に希少金属を含む泥を発見、2012年に発表していました。今回の発表は、深海5000mに100㎞四方に広がる大量のレアメタルが塊としての巨大鉱床が存在することを確認発表しました。日本の貴重な資源となりうることが明確になりました。2012年の時は雲をつかむような報告でしたが、今回は無尽蔵に近い塊となっていることから引き上げも可能として、東京大学+日本財団(資源開発など)によって希少金属の資源国となる一歩を踏み出したと思います。これからは商業ベースに乗せる大きな投資と開発エネルギーが問われます。

世界はEV自動車、ハイブリッド車、AI革命、高度な半導体産業など希少金属の需要はますます高まってきます。

資源を輸入に頼る日本の厳しさ

関連記事の掲載 ネット記事抜粋掲載

この南鳥島で見つかったレアアース泥は、中国の陸上鉱山の20倍の品位を持つ、世界最高品位の「超高濃度レアアース泥」です。 私たちの研究成果によると、およそ100 平方キロメートルの有望エリアだけでも、日本の年間需要の数十年から数百年分に達する莫大な資源ポテンシャルをもつことがわかっています。

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最も多いレアメタルはチタンであり、最も少ないレアメタルは白金、パラジウム、レニウム、テルルである。

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レアメタルは、 リチウムやコバルト、ニッケルなど、電子機器やエネルギー関連の技術に用いられる様々な非鉄金属を指します 。 これに対してレアアースは、 ランタン、セリウム、ネオジムなど、特定の17の元素からなるグループを指し、強力な磁石や発光材料、触媒などに使われることが多い です。2024/03/25