アルバー工業の新素材「ポリウレア」開発
アルバー工業は新素材として「ポリウレア」開発の取り組みを開始しました。昨年(2023年11月14日)一般社団法人 日本塗料検査協会 西支部に日本下水道事業団「下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食技術マニュアル令和5年3月5.7塗布型ライニング工法の設計及び品質規格D種」の試験結果の承認が2024年4月11日届きました。
熱交換塗料・防錆剤CCP-117・TFコート・道路用材料等のオンリーワン塗料の開発メーカーアルバー工業はユーザーからの要請により「ポリウレア開発」に着手、日本下水道事業団のマニュアル「コンクリート腐食抑制技術及び防食技術マニュアルの頻出規格D種」の試験結果の承認により、各種基材(下地材)に沿ったプライマーの実用検証を進めています。多くの事業者の生の声を集めて共に「ポリウレア」の実用化を目指します。
ポリウレア実演研修会の第一歩
アルバー工業代理店㈱アシストは大阪にて10数名の事業担当者による実演研修会を招集し”ポリウレア施工に実績のある事業者の協力”で6月に大阪で開催しました。画像はコンクリートブロック・木板等に吹き付けた実演素材(黒い部分がポリウレア)です。
ポリウレアとポリウレタンの違い
- ポリウレタンは市場で多くの人が目にする素材で1937年に開発され一般的に使用されています。
- ポリウレアは1980年にアメリカで開発された新しい素材です。
ポリウレタンとポリウレアの違い
- ポリウレタン 日常的に市場に出回っている素材で幅広い応用製品があります。水分に対して非常に敏感で、塗膜の硬化やその後の強度発生に影響します。硬化反応後は多くの製品が紫外線による劣化をトップコートで防ぐ必要があります。恒久的に水分が接することでの加水分解が懸念されるのもポリウレタンの弱点と言えます。
- ポリウレア ポリウレア樹脂の取り扱いが難しいことです。適切な下地処理やプライマーの選定、耐薬品や耐熱に対する事前の調査・検証を念入りに行う必要がある。仮にそのような工程を適切に行わなかった場合、塗布後に「浮きや剥がれ」の原因になることがあります。
- ポリウレアのメリット ポリウレアの耐久性が非常に高く、50年以上の耐久性を保つことが証明されています。耐久性以外にも防食性や耐薬品性に優れた樹脂素材です。
- ポリウレアとポリウレタンの違い はポリウレアとはイソシアネートとポリアミンの化学反応によって形成された入水化合物です。結合力が強く、ポリウレタンと比べ加水分解が起こしにくく、耐水・耐食・耐薬品性に優れています。また無溶剤で環境にも優しい材料です。
プライマーの開発 「ポリウレア」の開発の重要性はプライマーにあります。熱交換塗料のプライマー開発に実績のあるメーカーとしてポリウレア開発に際しても重要視しています。
基材(下地材)に適合したプライマー開発に注力しています。コンクリート、モルタル・ブロック、木材・合板、鉄・鋼製、など下地材に適合したプライマー開発の実証中です。
2液性吹き付け塗装 「ポリウレア」の施工性は2液混合の吹付となっています。施工性については専門的な知識と機材(吹き付け機器、ホースなど専用の施工機材をの準備)、専門業者によっては専用のトラックの常備など設備投資が必要になります。アルバー工業では小現場用に手塗りの出来る溶剤の開発に注視しています。大規模~小規模現場に応用できる素材の開発に注視しています。
高度成長期の構造物メンテナンス「ポリウレア」
大阪北部地震によるブロック塀倒壊
2018年に起きた「大阪北部地震」大阪府内で6人が死亡し、高槻市の寿栄小学校ではブロック塀が40メートルにわたって倒れ、通学途中の4年生の女子児童が下敷きになって亡くなりました。その後、ブロック塀は撤去され、現在はフェンスが設置されています。(NHKニュース)
頻発する地震災害時に各施設・住宅塀が崩れ、倒壊が起こっています。高度成長期の構造物として全国各地に存在し、地震災害の画像で倒壊現場が報告されています。巨大プレート・内陸活断層帯が50年・100年単位の地殻変動で突然発生します。高度成長期に造られた構造物の劣化と施工不備などで突然倒壊することが起こります。高度成長期~平成不況の中で重ねられた構造物の点検、メンテナンスの先送りが事故に繋がっています。アルバー工業では地球温暖化に対応した「熱交換塗料」、錆劣化を防ぐ「防錆剤CCP-117」、強力な床材「TFコート」などに続いて「ポリウレア」検証・開発に着手しました。