日本の半導体産業の凋落と復活の時
日本の高度成長期”ものづくり日本”の成長戦略は留まることなく成長を続け、オイルショックも乗り越え世界の市場を席捲しました。日本の家電製品などに組み込まれるICチップなどにより高度化した工業・家電製品などの対米輸出が日米摩擦に発展しICチップの組み込まれた製品に対して100%の関税を掛けられ、厳しい対米輸出の制裁が行われる中、マイクロソフトのWindows96の発売など米国の復活と日本の半導体生産の減速が始まりました。バブル崩壊の試練の中で新興国(台湾・中国・韓国)の安価なものづくりに対応しきれなくなり、人材・技術の流出もあり平成不況に喘ぎ、半導体メーカーの苦境で合併による生き残りを図りましたが今日まで凋落数値は止まりませんでした。
半導体の巨人TSMCとSONYが熊本に工場
過去、日本のシリコンバレーと言われた熊本に半導体受託生産世界トップ企業台湾TSMCが画像処理で世界のトップ技術を持つSONYと共同で半導体工場建設誘致が決定、多額の政府支援も行って日本半導体生産復活の一歩を踏み出しました。iPhoneなどで使う高度な次世代3ナノ製品ではなく10ナノの一般応用半導体の生産工場です。全ての面で、生産競争力を亡くしている日本にとって大きな復活の一歩になることが期待されています。2023年度になって熊本第2工場の建設も決まりました。さらに建設中の工場の周辺に関連企業の拠点ができつつあります。さらに重要な人材確保も熊本の行政とも連携して復活のサポート体制を強化しています。
微細2ナノサイズの回路を目指すラピダス
新会社ラピダスは2ナノサイズ最先端半導体の生産を目指して北海道千歳市の工業団地に建設を決定しました。半導体生産に重要な安定した電力・水が重要であることから、北海道千歳空港近くの工業団地に決定準備を開始しました。27年生産を目指し、市場にない2ナノ(米国IBM社開発)に照準を当て世界最先端の半導体に挑戦します。3ナノを実現している台湾TSMC,韓国サムソンの倍の2ナノに取り組みます。iPhoneなどのスマホなど限られたサイズで大容量・高速の情報が行きかっています。AI革命と言われる時代、自動運転技術・AI検索など全てにおいて高速・大容量が求められます。日本の技術復活の可能性は厳しいものです。既に技術者を米国IBM社に送り込んで開発・生産の準備が急ピッチで始まっています。
優秀な人材確保も求めらrています。さらに、熊本・広島など日本列島で半導体工場の建設ラッシュになっています。
必要な半導体不足解消・AI向け高度な半導体
次世代半導体に挑戦する日本の本気度
高度成長期日本の経済を押し上げたICチップ(集積回路)は米国の100%関税圧力によって競争力を失いバブル崩壊後の平成不況の大きな要因となっていました。日本の技術・人材・生産全てにおいて新興国の成長と活力に、半導体の重要性は認識しつつも成長の鈍化と競争力の低下によって低迷の一途を辿ってきました。2018年に始まった米中経済対立による関税掛け合いの中で、重要な技術移転に対して経済大国米国は、経済・軍事など全てに起因する半導体に対して厳しい対応を各国に迫りました。米国への半導体工場建設及び友好国(日本・韓国・台湾・欧州・・)などにも厳しい対応を打ち出してきました。30年前日本が対米関税100%の事態が対中国の間で起こっています。半導体産業は浮き沈みの激しい産業で生産調整の上下が激しい製品であり、企業運営が厳しい業界が今も変わりません。日本に一気に工場が建設されていますが流通の確実な保証がありません。ラビダスに参加している企業8社は情報・生産の日本を代表する企業であり、一歩先を見据えた技術開発・生産活動・製品利用を一気通貫で調整することを願います。