日本の技術を結集した水素エネルギー戦
- 政府は6年ぶりに「水素基本戦略」を改定
- 水素エネルギーに15年で15兆円政府投資する
- 脱炭素社会に向けて水素の開発や普及を加速
- 燃料電池や水電解装置など9技術を戦略分野に
- 海外からの水素を運搬する船の大型化技術
15年・15兆円の政府投資を計り、2040年の水素利用量を今の6倍の1200万トン程度に引き上げたいとしている。、温室効果ガスの排出量削減と産業競争力強化を両立させるための戦略と位置づけている。
水素エネルギーの作り方について
水素エネルギーの作り方には主に3つの方法があります。
- 改質法 :化石燃料を水蒸気と反応させて水素と二酸化炭素に分離する
- 電解法 :水に電気を流して水素と酸素に分離する
- 熱分解法:高温でバイオマスや石炭などを分解し、発生したガスを水蒸気と反応させる
作られた水素は、製造過程で二酸化炭素を排出するかどうかによってグレー水素・ブルー水素・グリーン水素と呼ばれています。
- グレー水素:化石燃料から作られた水素で、製造過程で二酸化炭素が排出されます。現在生産されている水素の95%以上になる。
- ブルー水素:グレー水素の製造過程で生じた二酸化炭素を回収して貯留したり利用したりする。排出量を削減した水素です。
- グリーン水素:再生可能エネルギーを使って製造工程においても二酸化炭素を排出しない水素です。
グリーン水素は再生可能エネルギーで水を電気分解してつくる水素です。日本では水素社会の実現に向けて、水素を「つくり」「はこび」「ためて」「つかう」取り組みを推進しています。グリーン水素作っている日本の場所と規模について以上のような例があります。
- :福島浪江町で・太陽光発電・風力発電で水を電気分解し、グリーン水素を製造するプロジェクトが進められています。2020東京オリンピック・パラリンピックではこの水素を選手村や競技会場で利用されました。現状:世界最大級の施設です
- 東芝は、水電解装置の中核部品で高価な希少金属の使用量を10分の1に減らし、グリーン水素のコスト低減に貢献しています。
- 経済産業省は、グリーンイノベーション基金事業を設立し、国内外でグリーン水素の大規模生産や輸送・貯蔵技術の開発に取り組んでします。
*グリーン水素はカーボンニュートラル社会の実現に向けた重要なエネルギーと期待しています。
*水素エネルギーは、日本のエネルギー安全保障や産業競争力の強化にも役立つと期待されています。
経済産業省が官民一体で水素社会へ投資
脱炭素へ水素社会実現に向けて15兆円投資
ロシアのウクライナ侵略戦争勃発で、世界のエネルーギー戦略は大きく変わっています。地球温暖化と化石燃料による二酸化炭素削減のシナリオは大きく変化しています。中東・ロシアなどのエネルギー資源の原産国(石炭・原油・ガス・・)と欧州・日本・韓国・インド・中国などの消費国との駆け引きが鮮明になってきています。オイルが高騰し多くの物価高に見舞われ世界経済は混沌としています。しかし、地球温暖化による自然災害が起こり大きな被害が続出しています。
エネルギー資源の確保とコスト低減、二酸化炭素(CO2)排出削減の課題を克服する技術革新が求められています。日本は原発稼働の延長を決定し、一方で水素社会の実現などクリーンエネルギーの革新的利用が求められています。ロシアのように資源大国は埋蔵量で国家の維持成長を実現できます。トヨタ自動車は世界一のハイブリッド技術を駆使して、世界一の自動車生産を行っています。しかし、世界の多くはEV自動車生産に全面シフト政策をとって、トヨタの電気自動車の低い比率に警鐘を鳴らし続けています。トヨタは24時間耐久レースに水素燃料を使った車で完走しました。石炭で造られる発電所は二酸化炭素(CO2)を出し続けています。世界がEV自動車にシフトすることに抵抗し続けています。水素燃料電池車などに今も可能性を持っています。
2025大阪・関西万博で水素社会の実現に向けて
2025大阪・関西万博は水素社会に向けた絶好の機会
2025年大阪・関西万博は水素社会に向けた絶好の機会ですね。水素エネルギー技術の実証・実装事業を具体化するために、「EXPO 2025 グリーンビジョン」1という方向性が公表されています。この中には、CO2フリー水素の活用や水素を用いたモビリティ、CO2ゼロエミッションシステム、革新的技術の展示などの提案が含まれています2。水素は2050年のカーボンニュートラル実現を支える重要な技術と位置付けられています1。大阪・関西万博では、水素に関する最先端の技術を披露し、将来の水素社会の姿を見せることができるでしょう。
~MicrosoftEdge チャット記事~ 掲載