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中国コロナ政策の転換・ビザ発給停止

中国の感染率のデータが得られない状況

昨年12月7日、習近平政権のゼロコロナ政策の転換を発表し、中国国内の感染が驚異的な数値を示していると報じられ、日本政府は中国からの入国時に陰性証明と入国時のPCR検査の実施を通知しました。此の対応に中国政府は日本に対する対抗措置として「ビザ発給停止」を通知(1月10日)困惑状況にあります。日本政府は中国に対して厳しく抗議しました。WHOも中国の感染状況、死亡者状況の正確な情報の提出を求めていますが、中国政府は実態と異なるごく少数の数値しか表明していません。政府は実態集計と報告を中止しています。ビザ発給停止は、日本の中国に対する水際処置(陰性証明+入国時PCR検査実施)と異なる対応の措置が取られ困惑状態です。

世界二位の大国中国の日本へ対抗措置

急成長を遂げ続けてきた中国と低成長の日本との間で2010年世界2位のGDP(国内総生産)が入れ替わり2022年大きく差が広がっています。世界を制覇する勢いで成長する中国は日本の最大の貿易相手国である近隣国家です。しかし、国家運営には大きな違いがあり、厳しい対立軸も存在します。経済界も含めて一喜一憂する関係にあり、日本の成長に大きな影響があることに違いはありません。中国の高度成長の課程で政治的、構造的違いにより大きな岐路にもあります。

中国は政策転換の岐路にある

日本は高度成長から30年の平成不況の低成長に苦しみぬいてきました。中国は改革開放と14億人の労働力と消費活力で世界の工場として高度成長を未だ続けています。しかし、成長の課程で生まれた格差の是正と互いに少子高齢化社会で社会保障による国家運営の厳しさに直面しています。成長の課程で生まれるバブル経済(日本もアメリカも体験)に中国も危機が迫り「共同富裕」の表現で乗り切ろうとしています。中国発の新型コロナウイルスを「ゼロコロナ政策」で成功を収めていましたが感染力の強いオミクロンになって中国は方針転換を行い混乱の中にあります。高度成長の課程で生じた歪みなどの調整期に入った思われる「共同富裕」の中で生まれた新型コロナウイルスに対応する徹底したロックダウンによる「ゼロコロナ政策」の終焉を迎え、新たなステージに入りました。アメリカや日本が経験したバブル崩壊の兆候も中国に現れてきています。今後どのような対応策をとるか懸念材料もあります。