中国のゼロコロナ 社会経済に大きな支障

武漢市に仮設病院建設 10日間の突貫工事
武漢市に仮設病院建設 10日間の突貫工事

中国はゼロコロナ政策で成功した国家

中国武漢市で発生した「新型コロナウイルス」感染症を一早くロックダウンを行い、突貫工事(10日間)で建てた仮説病院に隔離し治療に当たりました。その後、徹底したPCR検査で感染者をチエックし個人情報管理を徹底して感染拡大を抑えてきました。1年後の経済状況は一早く回復した中国の政策を絶対と位置づけ、厳しい管理社会の中で感染を抑えてきました。一方で欧米などの感染が拡大し、ワクチン接種によって対応を計りました。自国第一主義を掲げたアメリカトランプ大統領、ブラジルボルソナル大統領は「ただの風邪」称し、対応に消極的な国は一気に感染拡大しました。感染は世界に広がり多くの死亡者も出ました。変異株によって波の拡大を繰り返し現在8波を迎えています。今、主体のオミクロン株は感染力は強いが肺への影響が少なく重症化・死亡率が大きく下がっていることが確認され欧米では一早く、ワクチン接種を打つことでコロナと共存する社会を選択しています。しかし中国は一貫して「ゼロコロナ政策」を貫いています。

今でもマスクをする日本人
今でもマスクをする日本人

徹底したマスクをしているのは日本と中国

コロナの感染は人からの飛沫感染が大きな要素となって、人の交流、口から飛沫、密閉空間の飛沫対策に、人流の制限、パネル等飛沫防御策、部屋の換気、対面会話、徹底したマスクの着用などで感染対策を行ってきました。感染者の隔離策、検温、PCR検査、抗原検査、隔離、ワクチン接種回数、免疫力維持などありとあらゆる方法で各国は対策を行ってきました。中国はゼロコロナ政策」は絶対的な対策として一貫して隔離・ロックダウン・PCR検査の徹底によって感染拡大を抑えてきました。欧米はワクチン接種、医療対応と、開発される薬剤で対応を計り、オミクロン株の感染力の強さを認識しながら重症化・死亡率が低いことから欧米は「コロナとの共存」を選択しました。日本は感染状況と変異株の性質を見極め、欧米の対応状況を判断しながら、最大の難解、社会経済活動との両立を判断しながら対応を行ってきました。日本は徹底した感染対策と感染者数・重症化数、死亡者数などの数値を的確に公表し、医療体制のひっ迫度と経済活動の困窮に配慮しながら、時には緊急事態宣言を発し行動制限を実施してきました。10月から「オミクロンとの共存」を選択し、観光事業を含めた経済支援策を行って社会経済の活性化に舵を切りました。

中国のゼロコロナ政策は厳しすぎる

中国のゼロコロナ政策は中国14億人の人口と発祥地の武漢市のロックダウンの成功が原点となり習近平主席の政策「ゼロコロナ」が唯一の政策として管理社会を構築し「感染者ゼロ」社会を3年間続けてきました。しかし、感染力の強いオミクロン株になって抑えきれない状況が生まれています。5月頃の上海2800万人ロックダウン(都市封鎖)の2か月に及ぶ隔離制限は大きな負の局面を生み出し、住民の不満と混乱が生まれ、最大の経済都市の封鎖は中国と世界の経済にも大きな障害となりました。習近平の支持が絶対的な政策として、北京冬季オリンピックの成功のために徹底した感染対策が行われました。しかし、結果として無観客開催となりました。中国国民の自由を奪われた鬱積した社会への不満がくすぶり続け、ロシアのウクライナ侵略戦争によるエネルギーを始め物価高の中で強行される「ゼロコロナ政策」は中国の国民の生活の自由を奪い、中国経済大きな停滞の中、国民の不満が各地で溜まり集団となって各地で批判運動が勃発しました。世界も中国に対して大きな懸念を示しています。国民の不満を解消する対応が出来るか中国は重要な岐路に立っています。この記事を書いているときに「中国のゼロコロナ政策」大きく後退しました。

世界の工場としての中国に懸念

中国に依存してきた世界の工場中国に懸念

急成長を遂げてきた中国経済に世界は疑問を抱き、世界からの投資も減少している中、「共同富裕」を掲げて毛沢東思想に回帰する歩みを唱える習近平政権3期目に大きな懸念を示す経済数値が表面化しています。一方で軍事大国として権力を誇示し、対米対抗意識の中で世界制覇の目論見は強くなっています。ロシアがウクライナ侵略戦争を仕掛けたように、台湾に対して中国領土としての厳しい軍事戦略を実施、脅威を与えています。隣国の日本にも軍備増強の気運を造り出しています。日本・台湾・米国・ドイツも中国と共同の工場を有しています。ゼロコロナ政策の中、台湾鴻海 が受託している米国アップルの主力製品iPhone14を中国蘇州市で20万人の工場を操業しています。工場内で起こったコロナ対策で退職・脱走の事案が起こり、生産が大きく遅れています。世界の工場として利用する中国依存に大きな障害となる可能性が頻発しています。日本企業も工場閉鎖など影響が各地で興っています。飲食チエーンなども撤退するところも出てきています。中国は不動産バブル状況、大学卒業生の失業率は20%の厳しい状況になっています。経済成長GDPが5.5%の予定が3%に満たない状況に陥り、旺盛であった消費意欲も大きく落ち込んでいると言われています。世界の投資家も中国から撤退する状況に陥っています。過去の文化大革命と同様、「共同富裕」による富の分配は成長分野のIT産業にも利益を強制的に分配する政府方針が影を造っています。

世界の懸念と同時に中国国内の混乱の懸念も大きな影響の要素になります。