コロナ蔓延とロシアに翻弄された日本の経済
安倍政権が掲げたデフレからの脱却のシナリオは2019年6月G20大阪サミット開催の頃はデフレ脱却の筋道が少し見えて「世界の日本」としての位置づけが見えていました。観光立国日本として新たな産業構造も確立され3000万人近い外国人観光客は10年で3倍の勢いで、翌年2020年東京オリンピック開催に向けて更なる4000万人の挑戦を続け、「平成不況」からの脱却が見えて令和の時代を迎えていました。しかし、2020年1月20日中国習近平主席の新型コロナ中国武漢で発生ロックダウン(都市封鎖)の情報に世界は大きく揺らぎました。日本も4月に緊急事態宣言発出、行動制限が始まり、東京オリンピックも1年延期を決断、日本経済、世界経済は大きく揺らぎました。
中国と欧米のコロナ対応の大きな違いが起こる
感染力の強い新型コロナウイルスは中国を起点に世界へ広がり疑心暗鬼の中で世界はウイルスと戦いました。中国は10日間で武漢に感染者を隔離して治療する施設を2棟作りました。日本はロックダウンした武漢市から5便のチャーター機を武漢に飛ばし夜間の600人の救出作戦を行いました。横浜に入港したアメリカの豪華クルーズ船の香港で下船した人から感染が確認、横浜で3500人の乗客、船員の隔離を行い検査と治療に当たり270人の感染者を出しました。日本の空港・港からの入国を禁止し、4月には日本中に広がった状況から政府は緊急事態宣言を発出徹底した行動制限を実施しました。学校も閉鎖し、企業はリモートに切り替え対応をしました。変異株によって感染の拡大を繰り返し2022年秋には第8波になる厳しい戦いが今も続いています。
中国は最初に取った武漢市のロックダウン(都市封鎖)の成功で、世界が混乱する中で「ゼロコロナ政策」は唯一の方法で中国のコロナ対策は世界で唯一成功した国家であり、一早く経済回復を成し遂げた成功例である。として今も習近平政権は絶対的な「ゼロコロナ」を続けています。感染力の強いオミクロン株になって欧米は重症化率が低いことから「共存の道」を選択して行動制限を解除し、日本も同調して全ての行動制限を解除しました。
マスクを着けない欧米とマスク文化の中国・日本
今、世界はワールドカップサッカー2022カタール大会で沸き返っています。サッカー競技の応援風景が飛び込んできます。サポーターは熱狂して大声を出して歓声を上げ、サッカーの感染はコロナの飛沫感染のリスクが大きいとされています。しかし、欧米ではマスク着用は見当たりません。日本はマスク文化があり、感染症と同時にマスクの必要性を痛感しました。100年前の第一次大戦のときに蔓延した流行性感冒の時から日本はマスクの必要性を説いています。日頃から食品製造現場でマスクを着用し、衛生面で注意を払っています。今回の感染でマスクの製造は100%中国に依存していたことが大きな障害となりました。中国は製造過程で工場の生産を中国に置き換え世界に「マスク外交」をする始末です。日本もどこで生産したか不明の「アベノマスク」が国民に配られ不評をかいました。中国国民はワールドカップの映像を見た時、欧米ではマスクをしていない自由があることを知らされ、中国では「ゼロコロナ」に対する不満が各地でデモとして表現されています。日本の政府は屋外では一応マスクを外してもよいとされていますが、国民性で街中はマスクを95%以上付けています。第8波を迎えて大国中国の「ゼロコロナ政策」の行方が経済に大きく影響してきます。