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円安と物価高に揺れる日本社会

世界的な物価高の中、日本に円安の波が襲う

2012年第2次安倍政権において、際限のない金融緩和政策で国内消費を喚起し、デフレ脱却を目指しました。バブル経済を体感した日本社会は消費活動に動かされず貯蓄へ、企業の給与ベースは上がることなく低成長の平成の社会が続きました。新興国(台湾・中国・韓国・・)は高度成長を続け給与ベースで日本を追い越す指標もあり、ますます委縮する日本社会が造られてきました。日本の高度成長は技術革新による輸出拡大と国内消費意欲で成長を続け世界2位の経済大国になりました。2010年中国に追い越され3位に転落、一気に離され日本の倍の数値(GDP)になっています。台湾・韓国も同様に日本を凌ぐ技術革新と経済力をつけ成長しています。日本はデジタル化の遅れなど想像もできない転落ぶりが日本社会に蔓延しています。

日本は平成不況(低成長)からの脱却へ!

政府の債務残高と財政赤字(名目GDP比)のグラフを見るとバブル崩壊後の平成期になると年度別財政赤字が増え債務残高も積み重ねられ、世界一の債務国となりました。(債務はGDP比平成初期60%→10年120%→平成20年180%→平成30年240%)に増加

財務省は財政赤字と債務削減に徹底した予算編成を行ってきましたが、平成不況の中で一層の高齢化による社会保障の増額は厳しさを増幅させています。

  • 平成4年~何度も公共事業による経済対策
  • 平成6年~大規模な所得税・住民税減税政策
  • 平成9年~消費税5%へ引上げ、大規模増税
  • 平成9年~社会保障の負担増、歳出の削減

平成10年 社会保障の負担引き上げ、歳出の削減で景気とアジア通貨危機の影響でさらに景気後退

  • 平成10年~再び所得税・住民税の減税による景気浮揚策
  • 政府債務の累増の危機感と景気浮揚策と財政健全化の中で政策は揺れ動いた

平成末にはGDP比200%を超え、財政破綻状態と言われたギリシャを上回る債務で平成期に大きく財政状況が悪化した。日本は家計貯蓄率が高く、発行した国債が国内で吸収されるから心配ないと説明されてきた。この記事を書いているとき、イギリスのトラス新首相のもとで大型減税策を提案したところ、市場が混乱し撤回する事態になり、短期の辞任に追い込まれました。日本の債務もギリギリの状況で推移していることは変わりありません。

明治維新の大改革~平成不況の社会

江戸幕府(鎖国)~明治政府(1868年)の大改革(明治維新)で日本の骨格を短期間で実行に移しました。徳川幕府(1603~1867年・265年)の武家社会→明治維新の社会構造の大転換は想像を絶する改革です。日本の近代化は西洋の国家像から学び、現在も引き継いでいます。成長や侵略などの大戦を経て、小さな島国日本は戦後復興と高度成長を経て世界2位の経済国家にまで成長しました。しかし、過剰な成長はバブル経済を招き1991年(平成3年)「世界初のバブル崩壊」を引き起こしました。平成不況という厳しい30年を過ごし日本経済社会は停滞(低成長)し負のスパイラルに陥りました。平成不況の厳しさを振り返る時に明治維新の大改革を学び新たな日本の希望を求めます。

世界的な物価高と円安に揺れる日本

2022年2月24日勃発した大国ロシアによる隣国ウクライナへの武力侵攻は世界の秩序を大きく変える事態を招きました。世界は自由主義国家と専制主義国家の主導権争いの真っただ中にあります。独裁国家(ロシア・中国・・)の大国が領土拡張を計る秩序の崩壊は大きな争いへと発展する社会が造られ、対立が激化しています。

軍事大国・資源国家ロシアの振る舞いは世界経済の秩序を破壊しエネルギー高騰が始まり世界の物価高騰の基軸を大きく変えました。欧米の物価高は8%を超え揺れ動き、コロナとの共存社会を選択して灯りが見えた時に別の大きな試練がのしかかってきます。専制主義国家中国も「ゼロコロナ政策」でGDP成長が急激な停滞に直面し、中国バブル崩壊の懸念さえ囁かれています。急成長を続けてきた中国も厳しい経済社会の停滞が世界に及ぼす影響に発展しかけています。一方日本は欧米を中心に金利引き上げを行っている中「ゼロ金利政策を継続」することで円安が加速しています。円安はエネルギーなど輸入品の価格が高騰し、日本から出ていく輸出品に対して好材料となって50対50に分かれています。物価上昇率は2%台に上昇していますが世界に広がっている8%を超す物価上昇になっていません。政府・日銀は「ゼロ金利を継続する」姿勢を示し、大規模な円買いドル売りの為替介入を行っています。日本は政府・企業に求められている「賃金ベースのアップ」がどのように実現し、物価上昇に耐えうる社会が実現できるか大きな岐路に立たされています。