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衆議院選挙で自民党単独過半数を維持

第5波の厳しい感染拡大を克服して臨んだ選挙

東京オリンピック期間中に第5波の最大拡大期の中で任期満了に伴う衆議院選挙が近づいていました。一年前74%の支持率で総理大臣になった菅総理は12月~の首都圏を中心とした第3波拡大による「GOTUキャンペーン」の中断、4月~イギリス変異株の関西圏を中心に拡大医療崩壊の危機を感じました。東京オリンピックが近づく7月には首都圏を中心にデルタ株による第5波の驚異的な拡大に見舞われる中、政府はオリンピックに突き進み無観客開催になりました。菅総理の対策に国民は不安と怒りを持ち支持率も徐々に降下30%台に落ち込み与党議員も近づく選挙に不安を抱き始めました。一方で菅総理は積極的にワクチン確保と接種体制に全力を挙げ一日100万人接種を実行しました。しかし、長引くコロナ感染の洗礼を受けた菅総理は自民党総裁選の立候補を取りやめ、自民党の総裁選(岸田・河野・高市・野田)で争い岸田氏が総裁になり国会で9月30日、日本国内閣総理大臣に選任され、岸田内閣が誕生により国会で就任の所信表明を行ってすぐに内閣総辞職して信任を問う総選挙に突入しました。

自民党に厳しい逆風も感じられる中で選挙戦

コロナで疲弊した社会・経済活動は第5波が減少傾向に入り感染減少、医療体制の改善が見られ9月末で国が発出する緊急事態宣言・蔓延防止対策の全てを解除し、一部都道府県の対応の違いを除いて全面解除の中で、衆議院選挙の告示と選挙活動を行い投票が10月31日(日)実施されました。選挙前は岸田総理への不安、選挙期間中の静岡の補欠選挙で自民敗北、200の選挙区で立憲民主・共産の共闘を実現、選挙区で野党共闘が競り勝つ構図が出来上がりました。危機感を持った自民党岸田総裁はチャーター機を使い、自民党広報部長の河野太郎や小泉進次郎・菅義偉・石破茂など冷や飯組も積極的に応援演説に加わり選挙戦を勝ち抜きました。

少子高齢化の中で日本は国際的に立ち行くか

戦後復興・高度成長期を駆け抜け世界2位の経済大国になり、日本のバブル崩壊後の平成不況は30年続いて、強国となった中国に2010年GDPで追い越され一気に差をつけられました。30年前貧困にあえいでいた中国・韓国などは新興国として成長し、多くの産業で日本を追い越し、韓国の一人当たりのGDP、労働生産性で2018年度に日本は追い越されています。

中国・韓国・日本も少子高齢化の流れは大きく変わりません。社会保障制度の状況なども国々で大きな差が生じています。日本は高齢化社会、国民の生活安定、日本の経済活動の好循環、国際間の経済活動競争力の強化など多くの課題が山積みになっています。政治家の強力なリーダーシップと判断力が問われています。

デジタル化、技術革新、財政の健全化、日本社会の構造改革などやらなければいけないテーマがある。

日本を取り巻く環境の脅威が生まれている

北朝鮮は頻繁にミサイルを発射し日本海の排他的経済水域近くに被弾しています。韓国は北朝鮮との融和と日本への敵対心が顕著に表し、日・米・韓の軍事同盟も怪しくなっています。中国は尖閣にも頻繁に武器搭載した中国海警の大型船が領海侵犯を繰り返し日本の海上保安庁が守っています。先日、中国5隻・ロシア5隻計10隻で日本海~津軽海峡~太平洋を南下~鹿児島県大隅半島沖を~東シナ海へ日本本州を一周する海軍のパトロールと称して日本に脅威を与える行動を行っています。日本の衆議院選挙の各党の演説の中でも与野党とも対外脅威が示され、自主防衛の範囲なども政局化されています。国民もじりじりと脅威を感じ、反対ばかりでは抗しきれなくなってきています。津軽海峡、大隅半島沖は50年前、米軍の艦船、潜水艦が航行できる自由航行水域に指定しています。

総選挙勝利で始動した岸田総理

経済成長国家への再構築が求められている

技術立国で成長を続けてきた日本は技術立国としての優位性が減少し厳しい競争社会に追い込まれています。日本が高度成長を遂げた大きな柱を失い成長戦略が描けない状況にあります。平成期に日本の主力産業が新興国に取って代わられ、ものずくりの構造が大きく衰退していきました。技術革新においても新たな産業が生まれず、主力産業であった鉄鋼、造船、家電、半導体、パソコン、車載電池などの産業の多くは近隣新興国に奪われ続けて衰退しています。デジタルの利用にも遅れ、コロナ過で政府、自治体のアナログ社会の構図に落胆しました。コロナ過でリモートワークになり、ワクチン接種の予約システムの混乱、感染者の追跡把握、医療現場の混乱、政府と自治体の連携などデジタル化の推進に大きな警鐘を投げかけました。政府・自治体の改革を実現し、ものづくり日本の面影が薄れていく中で、政府・経済・産業・大学・研究機関の連携で新しい技術の開発と市場への投入の最後の機会ととらえ世界をリードする日本の復活が求められています。世界の経済格差が広がっている中で日本の大きな役割は残されています。 COP26で岸田総理は途上国支援に100億ドル(5年間で1兆円)拠出表明しました。