権力を誇示する中国習近平主席
天安門広場で開催された、中国共産党創立100年の式典で習近平党総書記(国家主席)は世界2位の経済大国を実現したのは共産党の指導体制の大きな実績であると誇示し、次の目標である「強国」実現に邁進すると一党体制の正統性を唱え、2049年の建国100年に「社会主義現代化強国の建設を必ず実現する」とこぶしを挙げて宣言しました。さらに「台湾統一」は歴史的任務で必ず成し遂げると語り、アメリカに追随する外国勢力の圧力を絶対に許さず、鉄拳をもって制裁すると対抗心をあらわに強い口調で宣言しました。一時間に及ぶ習近平主席の演説は共産党の一党支配の正当性を内外に示し、さらなる社会主義の実現に立ち向かうと語り自由主義国家との違いを鮮明にしました。過去の厳しいアヘン戦争、植民地時代の厳しさを乗り越てきたと表現、一方で文化大革命や天安門事件に言及することはなかった。
文化大革命
文化大革命とは、中華人民共和国で1966年から1976年まで続き、1977年に終結宣言がなされた、中国共産党中央委員会主席毛沢東主導による文化改革運動を装った毛沢東の奪権運動、政治闘争である。全称は無産階級文化大革命、略称は文革。 ウィキペディア
天安門事件
六四天安門事件は、1989年6月4日に中華人民共和国・北京市にある天安門広場に民主化を求めて集結していたデモ隊に対し、軍隊が武力行使し、多数の死傷者を出した事件である。 通常「天安門事件」と呼称する場合はこの事件を指す。 ウィキペディア
超大国米国と躍進する中国の覇権争い
米中対立はトランプ~バイデン政権へ
4年間、米国第一主義を掲げるトランプ大統領時代の貿易不均衡、知的財産の保護、技術移転の強要、産業の補助金による保護、安全保障面の懸念(サイバー攻撃、中国企業ファーウエイ5Gの世界への拡大と情報収集・漏洩)、2020年1月の中国武漢市発生の新型コロナウイルスに対する世界的拡散の責任で対立が激化していった。
2021年1月に就任したバイデン大統領の対中戦略に注目される中で亀裂が懸念されたEU国との修復とアジア政策を重視し、日本など同盟国との連携、多国間協調、中国との競争関係の制限などを強調し、同盟国と対応を共有して中国を封じ込める政策に大きく舵を切りました。世界制覇を目指し一帯一路を提唱し、世界制覇を目指す中国に大きな懸念を抱き、新疆ウイグル自治区の迫害、香港の国家安全維持法の強行、台湾統一への強い意欲と執拗な軍事行動で台湾海峡の危険度が迫っている。
世界の生産、消費大国中国の存在
中国は2001年WTO加盟以降、10年で世界第2位の経済国となり15年で米国と並ぶ世界最大規模の貿易大国となりました。中国は世界一の生産国で、米国に次ぐ巨大な市場(消費)を示し、今も成長を続けています。2010年に世界3位に転落した日本は中国に一気に3倍のGDP比に追い越されました。中国の成長に依存してきた米国・日本も含め、14億人の民を満たす「改革開放政策」の成功と躍進で成長を続けてきました。当初は縫製工場などの軽工業から、現在は自動車産業をはじめ重工業など大きな成長を遂げてきました。巨大化する今の中国の存在で世界の国々は難しい対応の判断を迫られています。隣国日本の経済的な結びつきは大きく、自国の自立を含めて、技術立国としての日本の厳しい対応が求められています。
香港・台湾への厳しい中国の対応
香港は2020年6月、中国国家安全法の成立で香港で民主化運動が厳しく制限され反対勢力の主導者は中国の法律で逮捕、拘置され反対運動が厳しく制限されています。反中国の香港紙「リンゴ日報」の幹部逮捕、資金凍結で廃刊に追いやり自由を奪われています。25年前一国二制度の下で50年続けることで統治国「英国」と約束した内容を25年で反故にしたことに英国は厳しい反発をしています。
台湾は「日清戦争」後、日本の統治国(1895年~1945年の50年間)となり、1946年の中国内戦(共産党と国民党)で台湾に逃れた国民党(蒋介石)と台湾人民が自由主義国の旗の下で統治しています。中華民国は1992年以降、中国大陸の主権を取り戻すことを放棄している。中華人民共和国(中国)は一つの中国に基づき台湾を「中華人民共和国統治下の台湾省」になることを求めています。
日中共同声明 ~台湾を中国の領土とは承認していない~
中国政府 台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する
日本政府 中華人民共和国の立場を十分理解し、尊重する
中国・新疆ウイグル自治区での人権問題
中国・新疆ウイグル自治区の少数民族弾圧を巡る欧米と中国の応酬が激化しています。H&Mやナイキなどのブランドメーカー使用を中止すると、中国は不買運動を呼かけています。日本は2012年に尖閣諸島の国有化を行ったら、日本品の不買運動やレアメタルの出荷制限などで国家制裁が行われました。
日本のユニクロや無印良品などで新疆綿を使用していることに、欧米から取り扱いの停止が行われています。昨日、フランス政府はユニクロに対する調査に入りました。
日本政府、メーカーも対応を誤れば双方から制裁を受ける厳しい選択が待っています。
新疆で成長する太陽光パネルについても大きな影響が予測されます。