水素エネルギー先進国日本は30年前から日米欧で議論を先導してきました。しかし、日本はクリーンエネルギーとしに頼ってきました。2011年東日本大震災で起きた原発事故で世界に衝撃をもたらし、地球温暖化のエネルギー政策の大きな転換点を迎えています。政府は2050温室効果ガス排出ゼロ宣言をしました。
2015年パリ協定 温室効果ガス排出削減の枠組み
2015年のパリ協定で世界が批准に向かう
2015年12月、フランスのパリで開催された第21回国連気候変動枠組締約国会議(COP21)で、2020年以降の温室効果ガス排出削減等の国際枠組みとして、パリ協定が採択されました。COP3の京都議定書成立以降、日本が主張してきた「全ての国による取り組み」が実現しました。しかし、シエールガスで世界一の産油国となったアメリカトランプ大統領の「パリ協定からの離脱表明」によって暗礁に乗り上げていました。バイデン大統領は復帰を表明、厳しい中でも前進する環境が整ってきました。日本の菅政権は「2050年温室効果ガス排出ゼロ」宣言をして世界をリードしていくと表明しました。技術立国日本はエネルギー政策で世界に取り残される懸念の中で大きく舵を切りました。
水素社会実現の象徴、燃料電池車の進化!
未来の燃料電池車が水素社会の鍵になる
2014年12月に世界初の燃料自動車トヨタMIRAIが量産車として発表されました。研究段階では「未来」の車として認識していました。発表時は750万円に抑えた価格で世に送り出されました。バッテリーを搭載したEV車が注目されいるときに未知の車両として登場しました。タンクに蓄えられた水素と取り込んだ空気(酸素)によって電気エネルギーに変換し車を走らす技術をハイブリッドなどの技術と融合して量産化にトヨタの技術が生かされました。水素生産、輸送、水素ステーションなどハードルが沢山あります。日本の民間企業が結集して政府の後押しを得ながら技術革新の実践が急がれます。2021年トヨタは2代目MIRAI の仕様を大幅に改良し、水素タンク30%アップの850㎞に、前輪駆動を後輪駆動に変えるなど安定、効率をさらにアップして2代目を発表しました。
豪州の褐炭から精製した水素の輸送
エネルギーとなる水素の供給ネット
オーストラリアの広大な土地に眠る「価値の劣る褐炭」を精製して水素を作り出し、液化(圧縮)して水素専用船(川崎重工が新しく建造した)で豪州から日本の神戸港に輸送を実証しました。水素社会実現には幾多のハードルがありますが、日本の80社以上が参加した共同体で推進を図っていきます。2021年3月豪州から精製された水素が海上輸送で神戸港に入港しました。褐炭から精製時に排出されるCO2は地中奥に戻すことで排出ガスゼロの水素精製が行われます。