IT先進国と言われた日本はなぜ遅れた
技術立国日本は半導体・ITチップなど繊細な技術の最先端を駆使してコンピューター、パソコン・携帯機器などが世界のトップシエアを誇ってきました。しかし、新興国(台湾・韓国・中国)は日本の技術を生かしながら生産・利用の進化を遂げています。日本は行政の規制の中で革新的技術の利用に後れをとり、縦割り行政の弊害を乗り越える努力を怠ってきました。コロナ禍で急速にデジタル化の重要性が浮き彫りになりました。
新しい時代の発想の大転換期にある
戦後復興・高度成長期世代の経験値の発想はグローバル化した経済社会において通用しない時代になっています。日本政府のIT大臣はパソコンを扱えないと発言し驚きました。高速・大量に処理されるシステムが当たり前になっている社会に満足している人、背を向けている人が半々います。今、韓国・中国・米国などは電子決済が主流の時代に、日本とドイツは通貨に信頼し現金決済が使われています。14億人の消費者を抱える中国のネット通販アリババはAmazonの収益を凌いでいます。日本では楽天市場・Amazonジャパン・ヤフーショッピングなどが業績を伸ばしています。
デジタルは多様な社会を変える大きな技術
ネット発信・検索技術の進化
高度成長期に訪問・郵便・電話・faxなどがコミュニケーションの手段でした。大企業は機械制御用・大量の事務処理用のコンピューター化が進み専用言語のプログラミングで効率化を図りました。日本は集積回路技術でコンピューターの小型化・高速演算化をリードしました。テレビなどは電波を使って送受信の進化を遂げていました。25年前パソコン機器・Windows95ソフトが発表され、その後ネット発信・検索システムWWWが世界共通の検索コードとなりネット社会が始まり、光ファイバー技術で通信速度や大容量通信など幾多の壁を乗り越え進化しました。一方で発達した移動通信技術(携帯)も発達し2007年スマホ(iPhone)の出現によって情報発信・検索環境が大きく変わり、専用アプリで多様な社会の情報の検索・発信が何時でも、何処でも可能な時代になっています。
コロナ禍の社会・経済は人の接触を制限
コロナ禍の社会・経済活動は”人との接触・非接触”による”活動の制限が大きく影響しました。テレワーク・リモートワーク・オンライン授業・・・など突き詰めて対応していくと非接触による制限は飲食業・観光業・イベント業・交通移動業など幅広い業種に大きな影響をもたらし労働生産性が大きく落ち込みました。非接触の業態はデジタル化の拡張と利用で事業高が増しました。飲食業などでも最低限のデジタル化で補おうと努力しました。デジタル化に遅れている日本は”急なオンライン授業など”で対応しきれず”休学・退学などの問題も発生しています。デジタル化の進化の過程で人との接触・会話の不足は社会に負の側面を生み出しています。日本は管理社会を好まない環境にあり”マイナンバーカード”の普及が遅れた行政と国民の連携が滞っています。健康保険証や運転免許証などのように提示が必要な機能・メリットがないと国民(1億2000万人)のマイナンバーカードが利用率10%台に留まっています。