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香港民主派逮捕 中国国家安全維持法発動

中国共産党建国70年の厳しい歩み

1949年10月1日、国民党(蒋介石=現台湾)との内戦に勝利した毛沢東率いる共産党は天安門広場で建国を宣言した。毛沢東主席・朱徳人民解放軍総司令、周恩来中央人民政府政務院総理(首相)の体制で中華人民共和国の設立を宣言した。長江・黄河流域を含めた広大な地域と人民の統治には戦後の貧困の中で毛沢東共産主義を旗印に農業・経済生産・人民統治が行われました。

劉少奇副主席は1962年党大会において「今回の大災害は天災が三分、人災が七分と」責任を認め、出席者からの批判で毛主席も「社会主義の経験が不足していた」と自己批判をした。1966年~1976年まで毛沢東主導の大躍進政策を江青ら4人組を中心に「文化大革命」を起こし紅衛兵を組織して劉少奇・鄧小平など多くの政治家・文化人を拘束し弾圧を行いました。周恩来・毛沢東が死去し江青ら4人組は反逆罪で死刑になりました。一党支配の中で思想と権力争いの厳しさと失敗が失脚につながる共産主義国家の危うさがあります。

1972年 田中角栄電撃訪中 日中国交正常化

1945年8月のポツダム宣言受諾によって日中戦争は日本の敗北となり中国の内戦・1949年中華人民共和国建国後も国交は断絶、1951年のサンフランシスコ講和条約には中国は招待されず日中国交は回復されなかった。1950年代から民間貿易が始まっていたが国交のない状態で、中国に残された残留孤児は中国人に養育されながら帰国のあてがない状態でした。1972年首相になった田中角栄は電撃的に訪中し毛沢東・周恩来と会談し日中国交正常化を実現しました。振り返ると「高度成長を遂げる日本」と「文化大革命」の真っただ中の国交正常化議論だったようです。建国以来中国の首相として毛沢東を支えていた周恩来は1917年頃日本の明治大学などで学び中国共産党の偉大な親日政治家で「文化大革命」混乱の中で日中国交正常化に尽力1976年死去しました。1978年8月日中平和友好条約調印(両国外相 北京)を福田首相・大平幹事長が衛星中継で確認する。

中国の歴史的汚点 文化大革命
中国の歴史的汚点 文化大革命

文化大革命・改革開放・天安門事件の中国統治

建国70年を迎えた中国は第二次世界大戦後に共産党一党支配のもとで毛沢東主席の歴史を作り上げ、文化大革命(1966年~1977年)の期間中の1972年日中国交正常化交渉・1978年日中平和条約締結しました。1978年に開催された中国全人代で鄧小平の中国国内体制の改革及び対外開放政策による現在の中国の「改革開放」が始まり中国の経済特区による自由主義経済を取り込んだ政策が始まり経済発展が始動しました。10億人の労働人口を生産資源として世界の工場へ外国の資本と技術を呼び込み、富を得ることによって近代国家へと変貌していきます。しかし、1989年6月4日、天安門広場に民主化を求めて集結したデモ隊に軍隊が武力行使し多数の死傷者を出しました。中国趙紫陽総書記は寛容であったが「重要な問題は依然、鄧小平同志が舵を取る」として政権から外される結果を招き鎮圧された。文化大革命・天安門事件は中国の歴史から消されている

香港返還一国二制度の中、国家安全維持法施行

共産党一党独裁の統治国家中国の権力維持

中華人民共和国70年、幾多の政治的困難を乗り越えて改革開放によって成長を成し遂げた中国共産党政権は現習近平政権の一帯一路構想で世界の覇権を目指して強硬姿勢を示しています。チベット・ウイグル自治区など中央政権に反発する体制を圧力で統治してきました。言論・思想・人権・行動などの自由を許さず監視社会(監視カメラ・ネットデータ・・)を徹底して14億人の一党独裁の社会を築いている。1840年のアヘン戦争で英国の租借地となった香港は1997年英国サッチャー首相と鄧小平の間で交わされた返還交渉の中で一国二制度を50年間維持することが約束されている。国際金融都市香港で自由に育った多くの人は中国の圧政に馴染まないことはわかっている。雨傘運動・逃亡犯引き渡し条例案闘争100~200万人デモが行われ、追い込まれて廃案になったことを懸念した中国共産党政権は国家安全維持法を可決し7月1日施行しました。香港行政府の上に中国の指導体制が派遣され強化を図り、8月10日に民主派の中心人物を強制逮捕しました。翌日・翌々日其々釈放されたが刑の執行はこれから行われます。

香港・台湾・シナ海・日本尖閣、米中紛争山積み

米中の覇権争いに大きな火種となる地域

中国は香港の民主化運動の圧力は台湾の民進党蔡英文総統の選挙圧勝にも影響し、これ以上の譲歩はできないことから台湾沖合の軍事演習、日本の領土尖閣諸島に中国海警船が毎日領海侵犯を繰り返し南シナ海では岩礁を埋め立て自国の領土として飛行場建設を行い実効支配をしようと試み、軍事演習を行っています。抵抗するベトナム・フイリピンなどを力で排除しています。アメリカは台湾に閣僚を送り蔡英文と会談し、台湾も戦車や軍事品の購入を行い強化しています。日本政府も尖閣領土侵入に再々抗議を繰り返しています。