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表現の自由を奪われた香港 中国国家安全維持法

中国の法律「国家安全維持法」で裁かれる香港

全人代で示された議案で、6月30日に中国共産党常任委員会の全員の賛成で決められた「国家安全維持法」が翌日施行され、香港警察は即日取り締まりを始めました。「香港独立」「香港改革」などの文字を掲げた市民は即座に逮捕され強制連行されました。活動家のリーダーは危険を感じ「団体を解散」香港警察の取り調べを受けています。中国国内の国民は報道・言論統制の中で「国家安全維持法」は必要な法律であると表現しています。民主化を掲げる香港の若者は恐怖の中で将来を描けないでいます。香港の将来を懸念して国外へ脱出を図っている人もいます。

中国の国家統制は共産党一党制度の下で

30年前の天安門事件は中国国内では封印されています。香港市民は毎年「追悼集会」を開き無きことにすることを拒んできました。しかし、この集会も封鎖されます。中国にとって都合の悪いことは歴史からも抹消されます。14億人の民を抱える中国は共産党一党独裁を貫き他の思想は排除して治安維持を図ってきました。これからも統制国家は難しいかじ取りが求められます。多くの自由主義国家にとって、「国家安全維持法」は受け入れられません。中国は内政干渉を拒否し続けます。世界は「新型コロナウイルス」で困窮しているときの争いに厳しさを感じます。

自由主義国の反発と代償

一国二制度を破棄して「国家安全維持法」強硬

香港返還23周年記念式典で「中国国家安全維持法」成立を宣言した香港行政府長官は演壇で笑みを浮かべました。昨年の「逃亡犯条例」の強硬で連日の200万人デモで法案を取り下げ長官を辞したいといった長官は、中国「国家安全維持法」の基で中国が直接香港治安維持に関わることで強化されました。23年前の英国植民地香港返還で定められた「50年間の一国二制度」をなきものにする法案成立施行は自由国家で生まれ育った若者にとって大きな試練の時を迎えています。金融・経済都市として栄えた「香港」は大きな大きな試練と判断の時を歩むことになります。香港に進出している海外企業や人々も選択を迫られています。中国も制度を破棄した責任の代償が伴います。