新型コロナウイルス対策の中で、デジタル技術利用の後進国であることが露呈しました。「戸」と呼ばれる家族単位で管理する国は日本一国になっている現状があります。中国・台湾・韓国も個人の単位が優先しています。日本のマイナンバーカードの登録が進んでいません。(取得率 15%)
マイナンバーカードの取得率15%
1967年「住民基本台帳」法が制定され住民の氏名・生年月日・性別・住所が記載された台帳で徐々に電算化を進めてきました。住民票の交付や児童手当受給資格の確認などに利用されてきました。日本は縦割り行政の弊害によって社会保障(年金制度)、健康保険、運転免許証、パスポート、銀行、税金などすべて一元化されていません。
外国では個人番号が付与され一元化されて運用されています。50年前から一元化を謳いながら、国民の協力も得られず強制力のないマイナンバーカード発行が機能していません。
マイナンバーカード利用で窓口大混乱
予期していたことが起こりました。12億人(給付金12兆円)の申請手続きに役所に殺到し窓口が大混乱しました。総務大臣が”マイナンバーによるオンライン申請すれば受け取りが早くなる”の公報でマイナンバーカード申請・暗証番号の再発行に殺到しました。後日の郵送申請と大差ない状況で一般的には1~2ヵ月遅れて振り込まれる結果になりました。明治維新の大改革、戦後の制度改革の中で各行政の其々の台帳管理を行ってきました。行政改革の本筋であるマイナンバーカード管理に国民はメリットを感じてこなかった。
2016年1月マイナンバーカード制度スタート
15年10月頃から皆さんの自宅に「マイナンバー通知カード」が郵送されました。マイナンバー通知カード(紙2020年5月25日廃止)に記された12桁の番号がマイナンバーとなり顔写真を貼って申請手続きをしてマイナンバーカード(プラスチック)を発行してもらいます。発行開始後4年以上過ぎてもあまり使ってこなかった。(必然性がなかった)カードについて「12億人の給付金制度」において有効活用を図りましたが申請数15%では混乱を招くだけでした。政府は銀行口座と連動した案などで再検討を加える。
個人情報の漏洩と行政のデジタル化推進
日本は戸籍台帳の記載管理を総務省と各自治体の重要な業務として運用してきた。
政策の骨子
・国民の利便性の向上 ・行政の効率化 ・公平な社会
・社会保障・税・災害対策など利用範囲を限定して導入
国民の思い
・個人に付された背番号で管理されることの不安がある
・個人の資産・銀行の数値まで政府に一元管理される
行政と国民一人一人の思いが合致することなくむしろ過剰な行政管理(膨大な費用)に依存している。合理的な制度を作る必要がある。
消費税増税の5%還元制度でキャッシュレス化
政府は消費税増税に合わせてキャッシュレス化(デジタル化)の推進を図りました。近くのスーパーの買い物決済に5%還元のため小口現金決済銀行通帳を作成し「チャージ」できるようにして開設しました。不足すれば銀行口座の残高の範囲でチャージして決済することにしました。店舗のポイント+還元金を受け取りました。韓国では98%がキャッシュレスの社会になっています。
日本のデジタル化の遅れは色々な要素があるとされています。マイナンバーカードの有用性を高めないと広まらない。12兆円の支給に対して確認作業など地方財政に多くの無駄な負担があったことは事実です。