九州よりも小さな新興国台湾の底力
日清戦争の結果下関条約によって台湾は清朝(中国)から1895年日本に割譲され,第二次世界大戦の日本敗北の1945年までの50年間の統治時代がありました。戦後中国の内戦で追われた蒋介石率いる中華民国は台湾に渡り共産党に敗れ台湾島に国民政府移した。中国本土は今も国際的に認めていない。共産党の中華人民共和国との分断国家が続いています。台湾は中国から移り住んだ人と台湾人との複雑な関係は残されて、時に政治に影響しています。蔡英文率いる民進党は中国からの独立を主張する政党で、中国と融和を掲げて経済を維持しようとする国民党の大きな政治的分断が行われています。 台湾は中国・韓国よりも早く工業化が進み新興国の優等生として歩み始めました。成長すると労働力の豊富な中国へ工場を移して発展しました。中国の経済成長にも大きな貢献をしました。シャープを傘下に収めた鴻海精密工業はAppleの製品を一手に引き受けて中国で生産し、世界的な企業に成長しました。創業者郭会長が国民党から総統選に出馬する動きもあった。
蔡英文は香港デモで支持率回復
蔡英文の二期目の勝利に香港デモが影響
蔡英文の一期目は圧倒的多数で選ばれ、巨大国家となった中国の圧力に、国民が疲弊しかけていた時「香港デモ」が勃発、香港市民の激しい抵抗を見る台湾国民も中国との距離を置き始め苦しめられる経済に対して、国民の主権と自由を求めて選挙に臨み、総統選、立法委員選を圧倒的勝利で厳しい選挙戦を戦い勝利しました。
国民は選択した権利を対岸の圧力にどれだけ耐えられるか試される厳しい日常が待っています。1月12日の選挙結果によって蔡英文政権は中国で起こっている武漢の状況を察知し、対応に着手(準備)をして、中国に依存しているマスクの生産を台湾で準備、いち早く中国からの渡航を制限しました。3カ月経過した4月26日現在感染者数429人・死者数6人に抑え込んでいる台湾の対応力に学びの力を感じます。
アベノマスクの失態
全国配布宣言の「アベノマスク」の失態
小さな布マスクをつけて466億円を使って全戸配布をぶちあげた安倍首相の限界が見えてきました。配布を提案したのは40代の首相秘書官で「国民に配布すれば、国民の不満が一気に鎮まる」と進言し、安倍首相は官邸の金正恩と言われる人物の進言を採用し決断したと報じられています。菅官房長官の記者会見でも「私は関知していないような回答」で国税を使って配布したマスクに汚れや不具合が報告され、中断している失態になっています。官邸と政府・与党の間でもぎくしゃくした状況が見られ、安倍首相が紅茶を飲みながらくつろぎ、読書する姿に違和感を感じています。全国に発した「緊急事態宣言」に対して地方行政の知事は困惑しながら、財源をねん出して国民と直接対じしています。
台湾や韓国では政府がIT技術を採用して国民に制限しながら配布しています。日本の官邸及び閣僚にIT技術の専門家がおらず、パソコンも操作できない閣僚(政治家)が多く、発想したり判断する能力にかけている状況があります。 台湾・韓国・中国ではIT技術の利用が国民に浸透している国家として危機対応に当たっています。
台湾のマスク事情に学ぶ
中国武漢の異常を昨年末に察知していた台湾はマスクの需要が高まると判断し、中国生産に依存している状況を国内生産に変える準備を始め,2月6日には台湾当局は買い占めの混乱を防ぐためマスクの流通管理制度をスタート。政府が全てのマスクを週2枚に制限した。健康保険カードに購入履歴が記録されて、外国人もカードがあれば購入できる。その後、増産で週3枚、4月9日以降「2週間に9枚」まで買えるようになっている。3月12日にはアプリを導入しコンビニでも買えるようにした。天才的なIT技術者が閣僚(画像の人物)にいる。
日本はどうだろうか、466億円を使って全戸に強制的に2枚の配布を決定した愚かさに国民はもっと怒るべきです。
台湾の閣僚に「素人はいない」全ては其々の専門家によって構成されています。日本は議員から古参を中心に選ばれる閣僚はパソコンも操作できない議員がIT関連の閣僚に選ばれ、質問に答えられないのが実態です。台湾は製造能力が飛躍的に拡大し、医療用マスクも友好国に提供できる体制が出来上がっています。日本にもすでに一部送られてきています。日本もたかがマスクと考えず、国家としてのシステムを素早く立ち上げる機能を期待します。
大阪市の松井市長が医療用ガウンの代用品として「雨がっぱ」の提供を呼びかけたら3日で30万枚が大阪市庁舎に届けられ、今日のニュースで台湾からも医療用船専用ガウンが3000枚贈られたと報道されています。議員よりも国民一人一人の意識の高さを、政府・官僚・議員が理解して迅速な政策を行って頂きたいと願います。野党も代案をもって政府を追及してほしいと思います。
九州の80%面積で2400万人の台湾は50年間の日本統治時代を経て、日本の友好国であり、新興国として発展し、経済・工業立国でもあります。共産党支配の中国の圧力を受けながら、国連に承認されない国家として厳しい荒波を乗り越えています。新型コロナウイルス対策も中国と一番つながりがある国で感染を阻止しました。
南北に走る台湾新幹線の車両は日本の700系を採用し300㎞で南北を1時間半で繋いでいます。線路・駅などは韓国などの連合で施工されました。