貿易不均衡に始まった制裁・報復関税
2018年3月、貿易不均衡に異を唱えたトランプ大統領の発言から始まった制裁・報復関税はエスカレートし徹底した制裁・報復合戦に発展しています。
米国→中国への課税対象
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第1弾 2108年7月 半導体・航空・ロボット 25%
- 第2弾 2018年8月 化学品・鉄道車両 25%
- 第3弾 2018年9月 家電・果物 25%
- 第4弾 2018年12月 スマホ・ゲーム・テレビ 15%
米国の制裁関税に対して中国は大豆・牛肉・石炭・鉄鋼・LNG・加工食品・自動車・化学品などに課税する報復関税で対抗しました。第4弾ではアメリカの3000億ドルに対して750億ドルの報復関税で対抗した中で、中国経済の減速が徐々に表れ始めていました。国家運営・イデオロギーの違いを乗り越える大きな分岐点に差し掛かっています。
日米間で起きた貿易摩擦と似た構図
日本の戦後復興・高度成長期において日米間での貿易不均衡による摩擦が頻繁に起こりました。規模が違えど米中貿易戦争の構図を見ると戦後復興・高度成長期を思い起こします。
日本は1950年代紡績などで繊維産業が成長し、安い衣料などが米国産業を脅かし、さらに化学繊維などの技術を手に入れた日本がリードする状況になり、アメリカのパッシングにあいました。1972年の沖縄返還など譲歩する状況などもあり、繊維産業の輸出制限を行いました。
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1950年代~ 繊維製品で摩擦で輸出の自主規制
- 1960年代~ 鉄鋼・カラーテレビの自主規制
- 1980年代~ 自動車・半導体で輸出の自主規制
- 1985年 プラザ合意 日本の輸出にブレーキ
- 1993年~ 日本車の米現地生産台数日本を抜く
日米間の貿易不均衡は日米間の貿易摩擦を生み出し、米国からの不均衡是正を迫られました。急速に成長する中国との米中摩擦は必然的に起こったことで、互いに尊厳を守りながらの戦いが続くことになります。
米中貿易戦争の一時休戦の影響
12月14日、米中の関税合戦の一時休戦により、株価市場は好感し上昇しています。しかし、互いのメンツをかけた対応に、世界は振り回されることは間違いなく続きます。地球温暖化対策のCOP25の議論など、世界的な規模の連携が模索される中での経済大国二国間の争いに今後も目が離せません。