高度成長期に掛けられた橋桁の腐食が日本全国あらゆるところで見かけます。劣化を維持するためにハンマーで錆を落として維持してきました。鉄は水と空気の結合で劣化が起こります。写真のように腐食が進むとハンマーや研磨作業で鋼材を薄く弱くし、さらに多くの労力を必要とします。
最初に浮き錆(赤矢印)等を丹念に除去します。ただし、既存腐食以上の損傷を避けるためハ ンマーなどでの大きな衝撃は与えません。その後ブラッシングした表面に、最初のプライマ ー「CCP-117」を浸透させます。CCP-117 の硬化を確認した後、次のプライマー「CCP-120」 を再度塗布し硬化を待ちます。最後に「O-707」で全体を塗り固める工程で作業を行います。 塗布作業に当たっての養生は一切行いません。潰れたコンクリートの台座(黄矢印)も「 O-707」 で同時に固化します。O-707 の硬化には 48 時間を要します。「CCP-117/120」は湿った状態 での施工は出来ませんので乾燥状態にある事を必要とします。
次に鋼材の隙間(青矢印)には十分に刷毛を入れ込むことは不可能です。よって「CCP-117/120」 は内部まで完全に浸透させる事ができませんので「O-707」で隙間を固化封印する事で急場 をしのぐ形になります。プライマー塗布面は錆の進行を抑える事ができますが、内部の腐食 は徐々にですが進行すると考えられます。 何れにしてもハイレベルな応急処置的施工方法という事でご理解頂ければと思います。
橋梁工事経験業者に現状写真を見せて概算見積りを取ったところ以下のような回答を得ま した。 (1)ハンマーでこぶ錆落とし→ (2)ジェットタガネで錆落とし→(3)ワイヤーブラシで表面 清掃→(4)基礎プライマー塗り→(5)錆止め塗布→(6)錆止め二回目塗布 所要時間と手間を考慮し、以上6工程で一基につき施工単価 5 万円。
今回(1)(2)をほぼ省略できますのでご覧の内容でご提案させて頂きましたが、特に「O-707」 は他に類を見ない仕上がりとなります。 施工担当者につきましては塗装工業会会員外で見積りを行っております。特殊な工事ですの で会員が必須条件ならばお知らせ下さい。
エコ・グレース 澤田行男
日本のありとあらゆるところで鋼材を利用して橋やデッキ、鉄塔、手すりなどが取り付けられています。取り付けられている、ボルト、ナット、座金などにも使われています。錆については細心の注意を払っていますが経年劣化によって錆が侵食します。メンテナンスには継続的な点検と多額の費用が掛かります。